銭ゲバ 経済体制 社会体制

今日から「銭ゲバ」のテレビドラマが始まった.

少し前までなら,なぜ今さらという感じだったが,最近の経済不況やら,職のない人が急増という状況からすると,今だからこそなのだろう.

個人的には原作がなかなか好きだった.
ただキレイ事をならべられるよりも,人の汚く弱い部分にできるだけ迫るような作品にはグッとくるものがある.

蒲郡風太郎が「金のためならなんでもするズラ!」と言う.
蒲郡風太郎の「金さえあれば…」という言葉は,どこかその裏に「金なんて…」という思いを孕んでいるように感じられる.

こういう主人公が善人ではないタイプの作品は,ある種過激なものだ.今回も主人公が幼いころ知り合いのお兄さんを殺してしまう描写が描かれた.テレビドラマでは結構ショッキングなシーンだろう.
だからこそ見る人にある程度衝撃を与えることができるだろう.そして,見た人に金のこととか生きることについて考えさせることがこの作品の目的・意味なのだろう.




自分としては資本主義社会の限界はもう見えていると思う.
だからと言って社会主義がいいと言うのでもないが.
より多くの人が幸せでいられるような新たな社会体制でも作り出していくべきなのだろう.

職がない人は農業とかをするわけにはいかないんだろうか?という知人がいた.その気持ちは分かる.しかしまぁいきなりはやはり厳しいものだろうかと思う.

私は義務教育に農業体験を取り入れると良いのではかと思っている.
普段口にしているものがどのようにして作られているのか知る意味でも良いことだし,将来,職に困ったとき農業をやるという選択肢を与えるという意味でも良いと思う.
また,農業の後継者の問題や,日本の食料自給率の問題のためにも良いのではないだろうか.

社会主義,資本主義というがこれは国の経済面のあり方の言葉のはずだが,ほとんど国の根幹とも言っていい言葉のようになっている.
はるか昔から国の上位に立つ者が富を有していたであろことから考えると,富と幸福というものは昔から切り離せないものだったのであろう.
その反面,清貧という言葉もある.これが貧乏人の言い訳ではないと思いたい.
中庸,「知足(足るを知る)」という際限のない欲を制御す思想がある.こういうものの実現こそが人間を本当に幸せにするのではないだろうか.
競争は競争で大事な面があるし,実際こういうものの実現は難しいと思うが.
だからと言って,知った風な口をきいてどうせ無理といって何もしなくては始まらない.
少しずつ,少しずつでも変えていこうとすることが大事なんではなかろうか.