コミティア86 ロドルフ・テプフェール

日曜に,東京ビッグサイトで行われたコミティア86に行った.

自分の目的は,ロドルフ・テプフェールの「ヴィユ・ボワ氏」というマンガ.
テプフェールは,現代的な意味での「コマ割りまんが」を事実上発明した人として知られる人.
「ヴィユ・ボワ氏」は170年くらい前の本で,テプフェールの代表作.

http://homepage3.nifty.com/sasakibara/comic/index.htm
http://comic.txt-nifty.com/

マンガ評論をされている,ササキバラ・ゴウ氏が邦訳し,販売された.
自分は素人だけれども,マンガ評論に興味があるので,せっかく貴重なものが買えるのだから持っておいて損はないと思い,買いに行った.

こういうマンガの同人誌販売会に行くのは初めてだった.
コミケなんかはマンガに出てきたりする話を読んでいたりするとすごく混んで熱気ムンムンなイメージがある.
自分は知り合いがサークルで参加しているので入場証を分けてもらって開場前に入ったので並ばなかったけど,並んでいる人はかなりいた.そういう意味ではイメージ通りなところもあったけど,コミケとは量が違うのだろうなぁ.
開場してからも,そんなにメチャクチャ混むってほどでもなかったし.

開場したらすぐにササキバラ・ゴウ氏のところに行って目的の本を買った.
それからは,せっかく来たのだしと思って一通り全体を見て,試し読みをしながら雰囲気を楽しんだ.

マンガ評論に興味があるタイプの人間としては,萌え系とか,どっかで見たことがあるようなマンガではなく,新しいことをやっているようなマンガに興味があるのでそういう雰囲気のものを見かけてはチェックして,結局3冊ほど同人誌を買った.
他には商業誌に描いているプロの人もいて,「鈴木先生」の武富健治氏がいて,同人時代のマンガなどを売っていて,サインを書いてくださるようだったので同人時代の作品をまとめた短編集を買ってサインも頂いた.
その2つくらい横で,「赤い牙」を売っていて赤い牙5,6,7を購入.
「赤い牙」は小田扉オノ・ナツメカサハラテツロー,などなどの面々によるマンガ家集団で,IKKIを購読している自分にとってはかなりなじみのある好きなマンガ家さんたち.
1〜4はもう売ってないらしくて残念.
同人誌「赤い牙」は毎回テーマごとにそれぞれが4,5ページのマンガを描く形式のもので,それぞれのマンガ家さんが自由にやっているように感じられ,普段以上にその人らしさを見ることができる気がした.


今回初めて同人誌販売会に行ってみて思ったこと.

・かなり年齢層は様々だけれども,結構40歳代,50歳代くらいの人もいるものなのだということ.
・萌え系とか成人向け以外で,商業誌でデビューしたいと思ったら新しさというか,自分らしさ,その人なりの世界観・雰囲気を持ったものでないといけない.そういうものの中から新しく売れる作品,そしてそれなりにマンガ家として長くやっていける人がでてくるはずだ.
編集者としたってそういう人を見つけようとしているのではないだろうか.
・40歳代くらいの女性の方で,マンガを描き始めて10年と書いてある人がいて,マンガ自体のクオリティも悪くは無かった.10年やっていてレベルも商業誌にあってもそんなに違和感はない気がしたけれども,やはり新たにそのプロの世界に入っていくには新しさがなければだめなのだろうか.新しさ,その人のオリジナリティがなければ別にその人である必要が無いのだからしょうがないのか.その人が商業誌でデビューしたいかどうかも分からないから余計なお世話なんだけれども,一般論としてそんなことを考えた.
・玉石混交だとは思うけれども,多くの人が働いてそうな年齢なのに,どうにかこうにか作品を作ってこういう活動をしているのはなんにせよスバラシイことです.多分.
日本って平和で,こういう活動にこれだけの人がそんなに労力を割けるってすごい.
それができない世界も,確実に地球のそこかしこにあるわけで,そういうことを想像してみるとなおさら凄いと思ったりするわけです.

こんなことを行ってみて実感した.やはり実体験と2次的になんかで得た知識とでは全然違う.
今後コミティアとかに行くかは分からないけど,色々見に行ったりしたいし,自分も何か作ったりしていきたいです.